何かもう色々ごめんなさい。
でも自分では結構気にいってます。
一度書いてみたかったんだ、本職悪魔赤也×子蓮二。
基本的に生まれ変わりとか輪廻とかって、あまり信じてないというか…
こんな人生一回ぽっきりでいいよもう、という考え方なんだがー…
信じ合えてずっとずっと側にいる存在がいるなら話は別な気がするので、こういうお話になりました。
赤也はデビルだけど天使ですエンジェルちゃんです可愛いハァハァ、という俺の訳の解らん妄想から発生したのだが…
早い話が天使だったんだけど、悪い事しちゃったので悪魔になっちゃったって事です。
…文字にすると情緒ねえなあオイ。
子蓮二ママの言うてた、生きていくのに意味なんていらない、そこにいるだけでいい。
これは自分の思いが反映されてる言葉ですね。
実際病気の家族を抱える、それも不治の、というのはかなり…筆舌につくせぬ、というのが現実です。
しんどいです。大変です。でも、いなくなってくれ、迷惑だ、というのとは違うんですよね。
生きているだけで意味があるんです。
精一杯生きる姿を見せてくれている、それだけで命の価値がある。
何かをしてほしとか、しろとか、そういう考え以前の存在価値なのね。
そういう思いが少しでも伝わればって思う。
そんな感じです。
読んでいただきありがとうございました!
そして…これは本篇に組み込むと、もしかしたらつや消しになってしまうかもしれんと思い、番外として載せます。
赤也が戻ってきた後のお話です。
このままキレイに終わっててくれ!!って思う方は読まないで下さい。
再び蓮二さんと赤也が出会ったらこんな感じ、というお話。
ではどうぞ>>>
Glass Castle in a Sanctuary〜サクラメント
§4
長く居座った病室の片付けをしながら、ふと窓の外を眺める。
話し相手が欲しくて誰か俺の存在に気付けと強く願っていた時、ここに舞い降りた奇跡の出会い。
危篤状態の中願った事、それは赤也と共に生きる事だった。
それだけで充分だと思った。
赤也がいれば、この四角い白い世界で一生を終えたとしても悔いは無い。
そう思っていた。
だが赤也は俺の命と引き換えに姿を消した。
奇跡のような出会いは、本当に奇跡を起こしてくれたのだ。
赤也が光に消えた翌朝、俺は意識を取り戻した。
次に気付いた時はもうこの世にはいないと思っていた。
最後の記憶は、赤也に生えた真っ白な翼。
それが目が眩むほどの光を放ち、その光は赤也を連れ去った。
「気がついたか」
「……あ…あなたは…」
目を覚ました時、家族や貞治の姿はなかった。
代わりに病室にいたのは、思い余った俺が自殺を試みた時止めに入った赤也の監視役だという男だった。
「体の具合は?」
「何ともない…昨日までのあの苦しみが嘘のようだ」
「そうか」
「あの…赤也…は?」
はっきりと聞くのが怖い。
だが、知りたいことだ。
もし俺の所為で消えたとなれば、俺は一生その事を悔やむ。
しかし男は首を振ってそれを否定した。
「いや、逆だ」
「え?」
「お前の存在が奴を救った。……奴は…赤也は悪魔なんかじゃない。堕天だ」
赤也は悪行を働き天界から追い出された後、時空の果てに飛ばされ冥府の使いとなった。
この男は、神の御子として生まれながら堕落してしまった赤也をずっと見守ってきたのだと言う。
「いつだったか…お前を助けてやってくれと頼まれた事があったのだが、俺はそれを断った。この結果を引き起こすのを待っていた」
「…どういう…意味だ?」
赤也が消えてしまうこの結果を待っていたとは聞き捨てならない。
しかし男の思惑は別にあったのだ。
「奴はお前を助けた事により転生道に戻る事ができたんだ。迷惑をかけるどころか…お前は奴を救ったのだ」
暗く汚れた世界に何百年と身を置き悪事を繰り返し、天上に戻る事を諦め、長い年月でいつしか自らの出生も忘れてしまった。
一度は情状酌量で人間になり、今この時代で14年の月日を過ごしたが、やはり更生はできず再び冥府へと舞い戻った。
だが、自分以外の誰かの為に力の全てを使った事により、慈愛の心を取り戻した赤也を見て、神は今までの全ての罪を赦した。
ずっと闇の輪の中で生きていた赤也を光の当たる場所へ導けたというのか、この俺が。
黒から白へ。
羽の生え変わる瞬間、力の全てを使い、俺を苦しめる病を破壊し、傷付いた体を癒した。
赤也は、あいつにしか出来ない形で俺を救ってくれた。
それは狭間に生きる赤也だからこそなせる事だったのだ。
そしてその行為はまた、赤也自身を救う事にもなったという。
「だが掟により俺は赤也に関する記憶をお前の中から消さなければならない」
「…え…?そんな…!」
思わずそう声を上げてしまったが、それは覚悟していた事かもしれない。
あの日、赤也が消滅した日、病室に居た誰もが赤也の事を覚えていなかった。
病気が治った事は奇跡が起きたのだと、それ以外は何も。
「元々俺達は生きている人間と関わってはならない存在だ」
嫌だ。
これから先二度と会えないと言われたとしても、俺は赤也を忘れたくない。
「そんな…どんな罰でも受けるっ…だから消さないでくれ!!」
「……どんな罰でも?」
「…ああ!!」
思い出の中でだけの存在だとしても、赤也を失うなど。
それならば罰を受け辛い思いをしたって構わない。
必死に訴えると、男はふっと口元を緩めた。
「ならば罰を下してやろう」
どんな事を言われるのだろうと固唾を飲む。
しかし言い渡されたものは、俺にとって罰ではなく、むしろ幸せに感じれるものだった。
いつか赤也が転生道を抜けた後、人間として生まれ変わる日まで忘れずに待っていてやる事。
それが俺に科せられた罰だった。
いつになるかは解らない。
いつ、再び道を踏み外してしまうかもしれない。
同じ時代、同じ場所に生まれてくるかの確証はない。
「だがどんな事があっても、信じて待っていてやれ。そして再び奴が現れたなら、もう離れるな」
「解った」
「あいつは…必ずまた今を選び生まれてくる。それが人の運命というものだ」
叶うか否か、今はまだ解らない。
それでも俺は待とうと思った。
今を生きる俺の元に戻ってくれる事を信じて。
その日まで、赤也に貰ったこの命を大切に生きよう。
そう誓い、俺は赤也の再来を祈り続けた。
Endless L∞P