カーマインレシピ
財前光という人物を思い浮かべた時、連想されるのは彼の好きだというカーマインという色だった。
赤よりも赤。見るものを惹きつけてやまない、そして良くも悪くも目立つ。それほどまでに彼は強烈な色を持っていた。
光は何ちゅーか、所謂変人やった。
自分時間で生きてるというか何というか。
この日和見な人間ばっかの現代日本で貴重過ぎるほどに強烈な個性を持ってた。
たいがいの人間が強烈に出来上がっとるここ、大阪をもってもや。
入学した頃からひと騒動起こして大変やった。
入学式終わって暫く経ったある日、新入生が二階の非常階段の踊り場から飛び降りたって聞いて、めっちゃ吃驚した。
ほんでよぉ話聞いたら、それがテニス部に入ったばっかの光やった。
学校はいじめでもあったんちゃうかとか問題なって大変やったのに、
何でこんなアホみたいな事したんやって怒る白石に向けて光は何でもないって顔して平然と言うた。
〜続〜