とりあえずぷりぷりのお尻が書きたかっただけ。
それだけ。
ピアス
*相変わらず光がもてかわすりむな受けっこです
*VS狼ズ×光です
*場所は部室
*部活後
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今日もアホ丸出しの練習内容やったなあ…こんなんでほんまに全国制覇大丈夫なんかぃと考えながら謙也が部室の扉を開けると、ぷりっと可愛いお尻がドアの方を向いている。
誰のものかと瞬時に察した謙也は勢いよく扉を閉めた。
その音に気付いたお尻の持ち主が顔を向ける。
「謙也君?何やってんっスか。ここ建てつけ悪いよってドア外れんで」
さっきまではお尻向けて可愛かったのに、顔を向けたらこれだ。
謙也は冷たい視線を送る光の後ろにしゃがみ込んだ。
「何やってって……こっちの台詞じゃ。お前何やっとんねん」
「ロッカーのあわいさに……ピアス落ちてもおて…」
光は再びロッカーと壁の間に腕を突っ込み一生懸命手を伸ばしている。
暗がりにピアスという小さなものが落ちている為手探り状態、
なかなか見つからないのか呻きながら必死に探っている。
「届かんのか?」
「ん……指先には…かすっとんやけど…んっ…あーっ!また奥いってもぉたー…」
四つん這いになり、低い体勢でお尻を突き出し、そして上がる声は。
「エロいなあ……」
「何?ぼーっとしてんと謙也君も手伝ぉてや…悔しいけどあんたのが手ぇ長いんやし」
光の声に無意識に手を伸ばした先は、
「ちょっ……何すんねんゴルァ!!!」
光のお尻だった。
いきなり撫で上げられ、猫のように毛を逆立てると光は謙也から距離を置いた。
「あ、すまんすまん。目の前でぷりぷりケツ見せられたら触りたなったわ。堪忍やで」
「どこのセクハラ親父やねん!!最悪やあんた!!」
「せやから、すまんって。もおせぇへんし、早よ取りぃや」
「ぜっっったい触らんといてくださいよ。今度触ったら白石部長に言いつけたるからな!」
そんな事でビビると思っているのか。可愛いやっちゃなあと目を細めながら、謙也はこれ以上怒らせないように少し離れた場所から眺め始めた。
「う…ん…っ…あー…またや…」
さっきより低い体勢で再びお尻を突き出した光に、謙也はだんだんといらいらムラムラとしてくる。
反射的に伸びそうになる手を誰かに掴まれた。
「げっっ!蔵っ…」
「謙也君のー…この手ぇー…悪い手!!!」
「いぃっっってえええええええええ!!!!!」
悪さをする子供に対して言う軽いフレーズに似つかわしくない、白石の容赦ない攻撃が謙也の不埒な手を襲う。
手の甲の薄い皮に痕が残るほど抓られたのだ。
「何すんねんコラァ!!」
「こっちの台詞や。お前、今財前のケツ触ろうとしとったやんけ」
「しっ…してへんわボケっっ」
すでに触った後ですとは言えなかった。
「ちょぉ、アホな事言うてんと手伝うて下さいよ」
「自分の事は自分でしぃやー財前君」
珍しい。白石ならすぐに手を貸すと思ったのだが、と思ったが、何故そんな事を言ったのかはすぐに気付いた。
理由は先程の謙也と同じ。
目の前でぷりぷりと揺れる光のお尻を眺めているのだ。
そこに千歳までやってきてしまい、謙也は頭を抱えた。
すぐに状況を察した千歳は白石と二人、そっと音もなく光に近付きベストポジションで眺めている。
それを慌てて止めに入ると騒がしくなった背後に光が顔を上げた。
そしてすぐ背後にある三人の顔に身の危険を感じる。
「なっ…何しとんねん変態!!お前らはよどっか行けや!!!」
「見守ったってんやんかー財前。酷いわぁ」
「見守るて、光のケツ凝視してんちゃうぞ!!」
そんな白石と謙也が問答を繰り返していると、その隙をついて千歳が光に近付いた。
「あ、先輩のが手ぇ長いしピアス取ってくださいよ」
「何ね、ピアス入ったとね?」
「はい。さっきから謙也君に取って頼んでんやけどいっこも役に立たんよって、先輩お願いしますわ」
「はいはい。可愛い財前のお願いっちゃ。お安い御用ばい」
にこにこと笑いながら千歳がロッカーと壁の間に手を伸ばすと、光があれほど苦労していたというのにあっさりと指先に引っ掛けた。
「おおきに、ありがとうございます」
「どうせならお礼のちゅーとかがよかねー」
「……せやったらもう一回あわいさにほかしますけど?」
「冗談冗談」
いつの間にか和やかに問題解決をしている事に謙也は激しく落ち込んだ。
白石が余計な事をしなければ、ああして笑いかけてもらえたのは自分だったかもしれないというのに。
せめてこの役目はこいつらには渡さない。
謙也は部室に置いてある救急箱から消毒液とコットンを取り出し光と千歳の間に割って入り、光の手からピアスを取り上げると綺麗に消毒をした。
「な…何す…っ」
「んー?じっとしとりや」
顔を近付け、耳を触ってくる謙也に光は真っ赤になって身を引いた。
「ちょっ…自分で付けれるし!!」
「まあまあ。さっきのお詫びやて。大人ししぃ」
この人ほんま最悪や。
光は横で見ている白石と千歳の突き刺さりそうな視線と、目の前にある謙也のこれでもかという程の笑顔に、居心地悪さに消えていなくなりたくなった。