メモリー

*クララVS謙也×光
*オムライスの続きです
*女装ネタ出てきますよ


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中学最後の文化祭が終わって一週間が経った。
未だ校内はその余韻が残っていて俄かに騒がしい。
その一番の要因はこれだろうと白石は手の中にある写真を眺めて笑みを浮かべた。
「何一人でニヤけとんねん、キモい」
「こんな男前掴まえてキモいはないやろ、キモいは」
「…何でもええわぃ。ほら、昼飯」
「おーありがとう」
校内にある購買部で予約してあったパンやおにぎりを白石に渡すと、謙也はその前の席に座った。
「何見とんねん。写真か?」
「文化祭のやつや。ほら、よぉ撮れてるやろ。さっき写真部の奴らが持ってきてくれてん」
「へえー…」
白石が買ったという写真には各部の出し物やテニス部の面々が写っている。
そういえばこんな事もあったなあと思い出しながら眺めていると、白石の手にまだ数枚の写真が残っている事に気付いた。
「…そっちは?」
「見たいんか?」
「は?」
「見たらお前も共犯やぞ」
「……ちょぉ見せぇ!!」
何か嫌な予感がする、と謙也は勢いよくそれを引っ手繰り、写っている被写体に目玉が出そうな程に驚いた。
「なっ……なん…な…ななななな何やねんこれ!!!!!!!!」
写っていたのは光のウェイトレス姿だ。
明らかに隠し撮りと解るそれは、かなりのローアングルから撮られていて紙を下から覗けば中が見えそうなほどの写りとなっている。
「何て。財前やん」
「解っとるわボケ!!!何でこんなもんが売りに回っとんねん!!」
「さーあなぁ…今んとこ一番の売れ筋らしいで」
「ふっふざけんな!!こんなもん光にバレたら…」
「せやから共犯や言うとるやん」
そういう意味だったのかと謙也は頭を抱えた。
これは何を言おうと一人悪者にされる事は必至だ。
白石狂の光にこいつが買ったもんや、と言ったところで通じるはずがない。
「ほんま可愛いよなー…俺はなーこれがおススメやで」
おススメと言われて思わず覗き込んでしまう自分が情けない。
だが気になるのだから仕方ない、仕方ないんだと謙也は自分自身に言い訳をする。
「うっっ!!」
「プリンに添える生クリームこぼしてもぉてんて。えっらい卑猥に見えるよなあ」
白石の見せてきた写真に写っている光は、床にへたり込み、その顔や胸元、スカートにホイップがこぼれていて何か別のモノを彷彿とさせる。
「ちょっ…ここここんな…こんなもん見せんなボケ!!」
「えー…謙也くんこういうの、お嫌いですか?」
「…………………………………………………お好きです」
たっぷりの間合いを置いて、若干ニヤけながら言う謙也に満足げに白石が頷く。
「やんなあーお前こういう妄想掻き立てられるん大好物やんなあ」
「なっ!人をドすけべみたいに言うなや!!」
「ドすけべやないですか」
冷ややかな声が頭上から降ってきて、謙也は動きを止めた。
そこには光が弁当を片手に立っていて、白石には目もくれず謙也に突き刺さるような視線を送っている。
「ちゃうねん、こ…これはな、光…」
「折角義姉ちゃんが謙也くんにもって弁当作ってくれたのに…これは部長にあげますわ」
「ありがとうなー財前」
「ちょお待て!!おまっ…共犯言うたやんけ!何一人助かろ思てんねん!!」
何のフォローもなく一人罰が下るなど理不尽にもほどがある。
謙也は白石が受け取ろうとした弁当箱をひったくった。
そしてある疑問を思いつく。
「……あれ?せやけど…この写真売ってる事は怒らんのか?」
「ああ、先に写真部の奴らが聞いてきよったんっスわ。売ってもええかって」
「それで?」
「売り上げ3割寄越すんやったらええ言いました。…まあ…まさか謙也くんがそれ買うて一人えれえれ喜んでるとは思わんかったけど」
「ひっ…一人ちゃうわ!!っちゅーか買うたんこいつやっちゅーねん!!!」
呑気な顔して我関せずという態度の白石を示すが、光は完全に疑いの瞳で見ている。
「白石部長がこんなもん買うわけないやん。往生際悪いっスわ」
やっぱりこうなるのかと謙也はがっくり肩を落とした。
「ちゃっかりしとんなあ財前は」
リベート制だとは知らなかったと白石は感心したように笑った。
「まあ…ほんまに買う奴おる思いませんでしたけど、ええ商売になりましたわ」
「お前…こんな風に身ぃ削って稼ぐなや…」
光は謙也の手の中にあった例の卑猥な写真を顔の前にかざしながら笑った。
「そんなん言うたかて、欲しいソフトあるんやもん。謙也くんはこんな僕はお嫌いですか?」
「………お好きです」

光はツンデレながらもこういう肝っ玉すわった部分もあればいい。
ウェイトレス光ちゃんの写真は1枚150円×10種類が販売されております^^
只今一番人気の生クリーム光で売り上げ約300枚。
結構エエ商売ですよね。

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