フェスティバル

*多分大学生ぐらい


いらちで我慢の効かない謙也に渋滞など以ての外で、大抵は国道や府道から外れて抜け道を掻い潜り、目的地に向かう事が多い。
だが今日はそれ以前の問題だったと謙也はハンドルに顔を埋めた。
「うーわーあー……もう最っっっ悪や…」
「せやから言うたやないっスか…今の季節この辺走るん無理やって」
助手席に座っていた光も謙也以上にうんざりとした顔で交通整理をしている警官をちらりと見やる。
九月も中旬に差し掛かり、秋祭りの代表格として全国区となった地車祭の為に封鎖された国道を目の前に謙也はまだ諦めきれないようで迂回路を探そうとしている。
行き当たりばったりに道を行く謙也とは対照的に光は携帯電話で交通情報を検索した。
「臨海こっから貝塚抜けるまで通行止めですよ」
「マジでかー…ほなニーロク抜けて…」
「あ、26事故でえらい渋滞らしいっスわ」
「はあ?!」
ただでさえ併走している国道が通行止めになっていて交通量が多い上に事故となればかなりの渋滞となっているだろう。
絶対に耐えられない、と謙也は項垂れた。
「つーか早よナビ付けてくださいよ…ケチってこの車買う時付けへんかったから……」
「ずっと光が横でナビしててくれたらええやん。こうやって」
「えー…めんどい」
「ちょっ、他に言う事ないんかい!!俺今めっちゃええ事言うたんやで!!!ある意味プロポーズやど!!」
「……こんなとこでプロポーズされてもなぁ…」
そんな事より、と話をぶち切られ謙也はがっくりと肩を落とす。
「外環入って下さいね」
「え?」
「予定変更して温泉行きましょ」
「え?え?あ、うん」
思わぬ誘いにすぐに気持ちを浮上させ、謙也は細い道を抜けて大きな道路へと出た。
「ほんで美味しいもん食って、デートやり直しましょ」
運転しながらではあるが驚いた表情をチラチラと向けられ、何か問題でもあったかと首を傾げるが、謙也はすぐに満面の笑みを浮かべた。
「めっちゃ嬉し…」
「謙也さんのおごりな。ナビ代っスわー」
「なっナビ代?!」
「ええやないっスか。これぐらいで優秀なナビが一生ついてくるんっスよ?」
「えっっっ??!!」
光の言葉に動揺しすぎた謙也は思わずハンドルが取られそうになる。
慌てて軌道修正して真っ直ぐ道を進んでいく。
「ちょっ、それっっ…!!」
「前見て運転せぇアホ」
だが我慢しきれず一瞬助手席に目を向けると、わざとらしくシートにそわそわと座り直す光の顔は真っ赤になっていた。

車デートっていいよね。
三連休や!!遊びに行くでー!!って阪南向けて走ってたんやけど、
岸和田のだんじり祭で29号線通行止め食らうって感じですた。
ほんで26号渋滞すると絶望する。
そんな南大阪事情。
ちなみにだんじりの事すっかり忘れてて臨海南下して
うっわぁ最悪じゃああああ!!って叫んだのはちばですよ。チエッ。

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